登山は自然の中で行われる幅広いスポーツで体力や能力に応じて多様に楽しむことが出来る発展性のあるスポーツです。自然の中で行われるということが、その魅力を高めている反面、危険性も持ち合わせたスポーツとなっています。JMSCAの主な遭難対策活動は山岳遭難の予防とレスキュー技術の普及と啓発です。遭難事故防止への対応は、近年の中高年登山者の事故増加もあり特に力を注いでいます。遭難事故防止には遭難事故のデータや資料を収集して積極的に活用し、より具体的な対策が導かれるよう進める必要があります。
現在、警察庁の山岳遭難データと山岳遭難を専門とする研究者の協力を得て提供されたレポートなどを機会あるたびに各都道府県岳連や全国山岳遭難対策協議会関連の各協議会へ配布し、事故防止の対策や企画に少しでも生かされるように取組んでおります。また文部科学省と共催で安全登山指導者講習会を開催し、安全登山の指導とレスキュー技術の普及を図っている他、各都道府県岳連と協力し、レスキュー技術の普及と指導者の養成のために山岳レスキュー講習会を開催しております。
また他の団体とも情報交換や共通テーマの問題解決の為に交流を促進しており、を設置し中高年登山者向けの安全登山シンポジウムの開催、冬・春の入山調査、雪崩研究、ビーコンの普及などに取組んでいます。
どんな荒海でも優秀な船長の下では難破しない、と言われます。同様に、登山でも優れたリーダーの下では遭難を回避できます。JMSCAでは、本年度より身近なリーダーを養成する「夏山リーダー養成講習会」を全国で展開し、“減遭難”に積極的に取り組んでいます。